不動産取引に失敗しないためには、なんといっても信用のある業者と取引することです。経歴はどうか、義務は果たしているか、悪いうわさはないかなど、いろいろなことを調べて、それらの結果を総合して判断してください。
業者の免許
不動産取引業を営むために免許が必要です。免許には建設大臣免許(二つ以上の都道府県に事務所を置いて営業する場合)と都道府県知事免許(一つの都道府県にのみ事務所を置いて営業する場合)があります。
業者名簿の閲覧
各都道府県の担当課で、その地域内に事務所のある業者の業者名簿と免許申請書の閲覧ができます。それを見れば業者の経歴や資産状況、行政処分などが分かり、ある程度業者の信用判断ができます。
閲覧のポイント
免許証番号
宅地建物取引業者の免許は、建設大臣または知事免許(○)第○○○○号と表示されています。( )内の数字が大きい事は、業者の営業年数の長さを示すことにはなりますが、営業歴が長いからといって安心はできません。その業者の営業のやりかた、実績、資力などについて調べることが必要です。
過去の営業成績
免許を更新している業者であれば、更新の免許申請5年間の取引件数や額が、売買、代理・媒介の別でわかります。
商号、代表者、役員、事務所の所在地
たびたび変更しているような業者は注意が必要です。
取引主任者、従業員
出入りが激しい業者は注意が必要です。従業者名簿の従業者証明書番号の頭部4桁はその業者での勤務開始年月(西暦)を示します。
資産状況等
個人営業の場合は代表者の資産状況、法人の場合は資本金、財務内容などがわかります。
納税状況
経営状態のチェックポイントの一つです。
行政処分歴
過去に業務停止などの処分を受けていないかどうか(担当課の職員に聞いてください)。
業界団体への加入状況
これもひとつの目安になります(たとえば「東京都不動産のれん会」など)。
悪い業者の手口
オトリ広告
うまい文句で客をつり、広告とは異なる悪い物件を言葉巧みに売りつける手口。
例:Aさんはチラシで気に入り、業者を訪れたところ「その物件は昨日売れてしまいました」といわれ、別の悪い物件を買わされた。
原野商法
「数年先には必ず値上がりする」といって二束三文の原野を時価の数十倍から数百倍で売りつける手口。
例:Bさんは訪問セールスマンに「今、北海道の土地を買っておけば、4年くらいで2倍以上になり、銀行へ預けるよりはるかに有利です」といわれ、100坪を100万円で買った。ところが後日調べてみると一坪がわずか3円だった。しかも、開発計画もないへんぴな所で、売りたくても買い手がつかないありさま。この悔しさは….。
契約をせきたてる
例:Cさんは「これは掘り出し物だから、すぐ仮契約をして物件を押さえなさい」といわれ、手付金を払った。後になり、それより良いものが見つかり解約したところ、手付金を没収されてしまった。